権威論争 ルカ20:1~8
説教要旨
「何の権威によってこれらのことをしておられるのですか。」
ルカ20:2
この質問をしたのは神殿の管理者であった祭司長、律法学者である。
彼らは、イエスから偽善者呼ばわりされてきた、いわゆる宗教を売り物にしてきた「宗教屋」たちでした。じつは、時間的に見ると、先の章の終わりにイエスは神殿にのさばる悪徳商人たちにむちを振るっての「宮きよめ事件」があった二日後でした。神殿で悪徳商人からショバ代をとって利権を貪る宗教屋たちにとって、イエスの行為は暴挙であり、許し難い出来事であり、にっくきイエス奴でした。ショバ代はともかく神殿管理者を差し置いてのイエスの行為は、「俺達のメンツは丸つぶれ」と。「よくもやりよったな」、でした。
そこで、宗教屋は悪知恵をしぼってイエスへの逆襲。、そこで発した言葉が 「何の権威によってこれらのことをしておられるのですか。」。これには恐ろしいワナが仕掛けられていました。 イエスは管理者の許可を取っていないから「勝手にやっている」と答えれば、秩序を乱すものと烙印を押される、或いは「神の権威によって」と答えれば、待ってましたとばかりに「神への冒涜者」と、イエス捕縛への恐ろしい網が張られていたのです。
さて、イエスは何とお答えになるか。イエス危ない!
3,4節を見ると、彼等の質問に直接答えず逆質問をしているのです。「バプテスマのヨハネは天からか、人からか」と。周囲の群衆には意味不明だったかも知れないが、当の「宗教屋」どもの顔からは血の気がさあっと引いていったことでしょう。これは一発必殺の強力パンチ、彼等の悪知恵を木っ端みじんしてしまうミサイル攻撃であったのです。5節で、彼らは周章狼狽 「ヨハネからと言えば」、ヨハネは、はっきり、イエスこそ天から来られたメシヤ、神の子救い主であることを公言してしていました。そして、当時の人たちに英雄的な人気のあった預言者でした。これを否定することは「群衆から石打ち」が、怖い。さりとて、ヨハネは神からといえば、ヨハネの証言を受け入れなければならない。さて、さて「宗教屋」どもは何と答えるか。
それにしてもイエスの知恵には驚きです。まさに天から来られた神の御子だったのです。
彼らの答えを見て下さい。「I don’t know」自称宗教の権威者たちが「知りません」と答えているのです。卑怯千万です。残念です。「ヨハネは天からで、イエスさま、あなたは、まさにヨハネが伝えていたメシヤです。私たちをお許しください」と一言告白すればいいのに・・。
私たちも聖書を読むとき、説教を聞くとき「イエスを誰というか」といつも問われているのでありませんか。イエスが救い主であることを知っているなら、ハッキリと「あなたは救い主です」と・・・、お答えすべきでしょう。